研究誌 「アジア新時代と日本」

第203号 2020/5/10



■ ■ 目 次 ■ ■

編集部より

主張 「民主」と「強権」

議論 コロナ禍、米国は感染者と死者で何故突出したのか

時評 委員長・・・

投稿 運命共同体として国のあり方を考える

アピール 森友署名運動・裁判の進捗状況

読者から




 

編集部より

小川淳


 日本の何歩も先を行く韓国
 4月15日に行われた韓国の総選挙は、文在寅大統領率いる与党(「共に民主党」と「共に市民党」)が300議席中180議席を獲得するという圧勝に終わった。一方、野党である保守派の「未来統合党」および「未来韓国党」は103議席に終わり惨敗した。
 世界でコロナ感染が拡大する中で、66.2%という高い投票率が、今選挙への韓国民の関心の高さを示している。
 与党圧勝の要因は、コロナ対策で示された文在寅大統領の強いリーダーシップに対する支持と信頼だったと言えよう。世界が新型コロナ感染拡大を止められずにいる中で、韓国が徹底的に行ったのが、検査と隔離という疫病対策の基本だ。ドライブスルーによるPCR検査も、韓国では3月上旬には実施されており、車を持たない人のためのウォークスルーも行い、感染が確認された場合は隔離と治療、軽症者は隔離施設「生活治療センター」へ収容してきた。マスクについても「週に1回、1人2枚まで購入可能。公的販売店などの購入履歴を管理しており、重複購入できない」というルールを定めている。
 コロナ禍が示したのは、このような国の役割の大きさだった。自分たちのいのちを守るために自たちのリーダーを選ぶ。コロナ禍は投票率の足枷とはならず、自分たちのいのちを守るという国民の切迫した要求が、今回の66.2%という投票率の高さに繋がったのではないか。
 もう一つ、忘れてならないのは、改革と民主化を求める韓国民の圧倒的な民意の流れである。2016年には国会で保守派を過半数割れに持ち込み、2017年3月には朴槿恵大統領弾劾を求める100万人がキャンドルデモを行い、歴史上はじめて大統領を弾劾に追い込んだ。2017年には文在寅を大統領に選出し、2018年の地方自治体選挙での改革・進歩派の勝利、そして今回、国会での改革・進歩派の圧勝と、大統領、国会、地方自治体とすべて改革・進歩派が勝利してきた。米朝和解と朝鮮戦争終結、経済再建、司法改革など文政権に対する大胆な改革への期待が、勝利の背景にあることは間違いないだろう。
 文在寅政権は180議席を取ったことで、法案を「ファストラック(迅速処理案件)」に指定でき、どのような法案でも迅速に採決することが可能となった。保守派の反対で批准されず、必要な予算も策定されないままだった「板門店宣言」や「済州島事件」犠牲者への賠償と補償を含む「「済州4・3特別法」の成立も可能となる。改革の速度は一気に加速するだろう。
 国民が自らの闘いで自らの政府と指導者を選び、一体となって自国の未来を切り拓いていっている韓国。翻って我が国はどうか。悔しいが韓国は日本の何歩も先を歩んでいる。コロナ禍は図らずしも国のありのままの姿を炙り出しているかのようだ。



主張

「民主」と「強権」

編集部


 「緊急事態宣言」は、当初の予想通り、延長になった。「新型コロナウイルス」禍との闘いの目処はついていない。
 一方、中国や韓国などでは、新たな感染者、死者の数が著しく減り、封鎖や外出禁止などの解除が相次いでいる。
 この違いについて、「民主」か「強権」かの違いと見、「強権」が勝つことによって出現する「コロナ後の世界」を危ぶむ論調が生まれている。
 この問題を、「コロナ後の日本」、いやこの「コロナ戦争」自体をどうするかに関わる問題として見、考えてみたい。

■国民の生命第一
 「新型コロナ」対策での安倍政権の右往左往ぶりは目に余るものがある。なぜそうなったか。見えてくるのは、国民の生命よりも経済を第一にする観点だ。
 検査を先行させ、大々的に行って、感染者数が膨らんだ時、それが日本経済に及ぼすマイナスの大きさ。それは、オリンピック開催への悪影響とも相俟って、甚大なものになる。
 緊急事態宣言もそうだ。国境や都市の封鎖、外出禁止、休業、休職、等々。それがもたらす経済へのダメージは大きい。
 安倍政権の「新型コロナ」対策で顕著に浮かび上がったのは、まさにこうした国民の生命の危険よりも経済的損失への懸念が先立つ経済優先、経済第一の観点だと思う。
 今回の事態発生の初期、欧米にも見られたこうした観点がいかに誤っているかは、今、世界中に広がる「新型コロナ」禍の、それこそ「経済どころではない」未曾有の惨状が雄弁に物語っていると思う。

■「国」の役割が決定的
 国民の生命第一に政治を行う上で何が決定的か。それについて、今回、「新型コロナウイルス」禍との闘いで浮かび上がってきたもの、それは、他ならぬ、「国」の役割だったのではないかと思う。  ウイルスの侵入、感染拡大を「水際」で防ぐための、国境や都市の封鎖、人々の隔離と外出禁止、違反者への罰則。
 一方、感染の有無の広く積極的な検査、判明した感染者の厳格な隔離、症状の度合いに応じての人工呼吸など適切な治療、それにともなう感染者自らの免疫力増強による「新型肺炎」克服と感染拡大の防止。
 さらには、感染爆発にともなう医療崩壊への対処としての病院、病床の増設、医療物資の増産、開発や輸入、そして何より、医師、看護師など医療集団の動員。
 「国」の果たす役割はそれに止まらない。感染拡大防止措置にともなう経済の縮小、停滞、失業や倒産の爆発的急増、等々、国民生活、国の経済の一大危機を前にして、それを乗り越えるための給付や補償、援助が問われてくる。
 さらには、「コロナ」の一定の終息を見計らいながら、経済の復旧が求められてくるが、ここでも「国」の役割が決定的だ。あくまで国民の生命第一に感染の再拡大を抑えながら、困窮する国民生活の建て直しのため、「国」による全国的範囲に渡る統一的な舵取りと、金融、財政的保障が不可欠になるということだ。
 安倍政権の右往左往、その誤りの本質は、まさにこうした国民の生命を第一とする「国」の役割に対する観点と自覚のなさ、能力の欠如に基づいていると思う。

■「民主」と「強権」
 今日、「コロナ」との闘いで、「国」の役割が大きくなるに従い、それへの懸念が識者たちの間で広がっている。すなわち、それが「強権」「独裁」「全体主義」の未来につながるのではないかという恐れだ。
 そうした中、一つ提起したいのは、「国」がその役割を果たすことが、即、「強権」なのかということだ。それとの関連で、世界の趨勢に反し、スウェーデンなどとともに、安倍政権がとっている「要請」や「自粛」の方針を「民主的だ」として評価する論調がある。
 この論調にあって、「民主」と「強権」とを分ける基準は、性善説か性悪説か、政府と国民の間の信頼か不信かなどに置かれているようだ。すなわち、「強権」が性悪説に基づく政府の国民への不信によっているのに対し、「民主」は性善説に基づく政府と国民間の相互信頼によっているということだ。
 こうした論調を前にして思うのは、世界的範囲で繰り広げられている「新型コロナ」禍との闘争の現実だ。そこにおいて、「封鎖」や「禁止」、「検査」や「隔離」、「罰則」が目に見える成果を上げているのは事実だ。中国や台湾、韓国、朝鮮などでの感染抑え込みは、その生きた証拠に他ならない。
 この現実をふまえた上で重要なのは、それが民意に合致し、国民と政府の間の合意、広範な国民の総意に基づくものになっているということではないかと思う。韓国における総選挙での与党の歴史的圧勝は、そのことを雄弁に物語っているのではないだろうか。これは、「国」の役割を高め、「コロナ」を抑え込むことが、国民の意思を抑え込む「強権」ではなく、逆に、それに応える「民主」であるということの何よりの証左ではないかと思う。
 これに対して安倍政権の「要請」と「自粛」はどうか。その結果としての現実ははかばかしくない。緊急事態宣言後も人と人との接触は十分に抑えられず続いており、感染の拡大、感染経路不明の増大も続いている。それがいつ爆発するか誰にも分からない。
 「自粛」という名の「自己責任」、「要請」という名の「国の責任の放棄」、すなわち、「責任の地方や国民への押しつけ」は、「自粛」や「要請」の呼びかけによる休業やその結果としての失業に対する「補償」や「給付」がその代償として考慮されていないところにも現れているのではないか。
 各種世論調査における安倍政権への支持率の急落は、「自粛」や「要請」が、そのソフトな印象とは裏腹に、「民主」ではなく、逆に、民意に反する「強権」に他ならないことを示しているのではないだろうか。
 「民主」とは、民意を実現する政治であり、「国」の役割を高めてこそ、それは可能だ。「新型コロナ」禍との闘いは、その真理を教えてくれているのではないだろうか。

■今、何が問われているか
 今、問われていること、それは、現在進行形の「新型コロナ」禍を一日も早く収束させ、あくまでその闘いを通じて、「コロナ後」の未来を切り開くことではないかと思う。
 そのための方策は、一にも二にも、「国」の役割を高めることを置いて他にない。
 「国」の役割を高めて、「新型コロナ」禍収束の出口を見極め、「コロナ後」の未来を切り開く上で、今、もっとも切実なのは、それができる政権を樹立することではないだろうか。
 これまで誤りを重ねた安倍政権の下にありながらも、日本が欧米のような感染の大爆発もなく、なんとかやってこれた主な要因は、外出や会合を控えるなど、国民の規律ある自覚的な行動があったこと、国民相互間の創造的な助け合い、地方地域末端からの独自の方針、取り組みなどに支えられたこと、等々にあったのではないだろうか。
 だが、国民や地方地域の主体的努力も、それを活かす政権の働きがないと、「コロナ」禍にうち勝つ決定的な力にはなり得ない。それは、すでに諸外国の闘いで示されてきている。先述した韓国、文在寅政権の働きなどは、その模範だと言えるだろう。
 安倍政権との政権交代で、今、切実に求められているのは、何よりも、「新型コロナ」禍との闘いの出口を、「検査と隔離」を大原則に、医療崩壊、生活と経済崩壊を克服するものとして明示することであり、その上に立って、「コロナ後」の新時代の展望を、日本の「国」のあり方の根本的転換として明らかにすることだと思う。
 ここでもっとも決定的なことが、国民自身の意思と要求がそこに全面的に反映され、「惨禍」との国民的闘い、地方地域の闘いがよく活かされるようにすることであるのは言うまでもない。そうなってこそ、安倍政権に代わる新政権は、国民第一、国民主体の政権として、民意に応え、国民自身の広範な運動に基づき支えられて、新しい日本の未来を力強く切り開いていくことができるのではないかと思う。



議論

コロナ禍、米国は感染者と死者で何故突出したのか

東屋浩


 アメリカで最初の感染者が出たのは、1月21日だった。その10日後、トランプ政権は直近に中国に滞在した外国人すべての入国を禁止した。しかし、あくまで太平洋の彼方のこととし甘く見ていた。国内の感染者が増加したため、3月11日に欧州26カ国からの入国を禁止し、13日には緊急事態宣言を出した。イタリアなど欧州での感染者が急増していくにつれ、アメリカでも感染者と死亡者が急速に増えていった。4月に入ってアメリカの死者は9千余りとなり、さらに感染者と死者が爆発的に増え、今や、感染者145万、死亡8万6千人を超え各国の中でも突出している。感染者数は全世界の3分の1、死者数は4分の1に相当している。
 もっとも発展した文明国と言われ、世界をリードしたアメリカがコロナウイルスの前に手も足もでない状態に陥り、社会経済的に、軍事的に大きな打撃を受けるようになったのは何故なのか。それは一体、何を意味しているだろうか。

■機能しなかった疾病管理予防センター
 アメリカには世界最高の医療システムを有することで知られている疾病対策の中央センターとして疾病管理予防センター(CDC)がある。医師など職員1万5千人を擁し世界の疾病に対応できるよう60カ国に支部まで設けている。新型コロナウイルスにたいする対応の司令塔となるべき組織だ。武漢で発生したコロナウイルスにいち早く対応しようとしたが、まともな検査キットを作れず、防疫活動に失敗し、感染拡大を許してしまった(「選択」5月号?「米国はコロナで何を間違ったのか」)。その結果、感染拡大防止の司令塔の役割を果たせないどころか、アメリカが世界最多の感染者と死者を出すほど惨憺たる状況に到っている。
 問題はCDCの予算が縮小されていたということもあるが、CDC自体が本部7000人、支部に8500人であるように、国内の疾病よりも生物兵器に使うウイルスを保存するなど海外の疾病を研究することに重点をおいている。すなわち、CDCがアメリカが世界を支配していくうえでの一つの機構としてあり、国内における感染症対策機構としてなかったといえる。
 感染症の治療では医療制度が重要な役割を果たす。ところが、アメリカの医療制度は一方で最新の設備と技術を有しながら、他方では病院数も統廃合で75年の7156から現在は6140に減り、都市部から離れると「病院砂漠」になっている。しかも、多数の貧困層は治療を受けることができないでいる。医療保険に加入していない労働者が2700万人もおり、病気になっても病院にいけず、今年初めのインフルエンザで治療を受けられず2万人近くの人が死亡した。また、水道代を支払うことができず水道が使えなくなる世帯は年間推定1500万軒にも上る。そのため、手洗いが必須にもかかわらず、それができないという有様だ。
 つまり、高度な医療設備と医療技術はごく一部の富裕層のためにあり、全国的には医療崩壊がおき、大多数の低所得層の人々は薬を購入して対処するしかない。
 CDCのような覇権のための疾病対策機構はあっても、国内疾病対策には機能せず、国民のための医療制度は崩壊してしまっていること、それが新型コロナウイルスによる感染者と死者がもっとも多い国になった理由の一つだと思う。

■格差による感染と死亡
 移民国家であるアメリカでは、黒人とヒスパニックの感染者・死者の比率が白人と比べ突出していることが問題になっている。
 4月7日のニューヨーク・タイムズが伝えた州レベルの統計によると、中西部イリノイ州で黒人は人口の15%だが、感染者の28%、死者の43%を占める。人口の約3分の1が黒人の南部ルイジアナ州は、新型コロナウイルスによる死者の約7割が黒人だ。全米で同様の傾向が出ているという。
 黒人には貧困などの影響で糖尿病や心臓病、呼吸器疾患などの持病を抱える人が多く、感染した場合に重篤化するリスクが高い。また、黒人にはバス運転手のほか福祉施設や食料品店勤務といった外出規制下でも仕事を続ける職種の人が多く、感染リスクも高くなる。
 これに、全就業人口の18%に相当する約3000万人が失業保険を申請しており、失業が貧困化に輪をかけ、感染予防と治療に大きな障害をもたらすようになっている。さらに、不法移民が多数存在し、彼らはいっさいの施策を受けることができない。
 貧困層だけではなく、中間層も没落を余儀なくされている。コロンビア大学経済学科教授のジョセフ・スティグリッツ氏は、過去100年間余り、継続的に増加した富裕層と貧困層の格差は新型コロナウイルスの感染拡大により転換点に到達したと指摘している。氏は「中間層で最も下位を占める人達は賃金削減・失業などで貧困層に転落する」とし、「今後、米国人は食べ物以外は何も消費しない状況になるだろうが、それは第2の大恐慌」と警告している。コロナ禍以上に食えないがゆえに死に瀕して人々が増えている。いつ暴動が起きてもおかしくない状態だ。
 一方、富裕層は感染拡大のひどいニューヨーク州から他の州にある避暑地の別荘に避難していると言う。金があるから衣食住に困らないし、充分な休息をとり、必要であれば医者にかかることができるというわけだ。
 これが「文明国」アメリカの実相だ。

■アメリカがコロナ禍に見舞われた意味は?
 アメリカは、最強の医療機構を誇っていたCDC、それが覇権のための疾病対策管理機構であったためコロナ対策で役立てることができず、医療保険制度が崩壊しているため、マスク、防護服、人工呼吸器、隔離施設が不足し、治療対応ができないで、感染拡大と死者増大を防ぐことができないでいる。アメリカは内部がいかにもろく脆弱だったかを如実に示し、その権威を地に落としてしまった。
 このことは経済や軍事でも共通している。経済では世界各国の安い労働力を使って生産拠点を海外においたため国内産業を衰退させてきたし、軍事では世界各国を支配するための侵略戦争や武力介入をおこない、国の財政的負担が耐えらず、他国に駐留費負担を強要するに至っている。
 他国を侵略、略奪する覇権国家は、国そのものを否定するゆえ、自国に対しても国としての役割を否定し内部崩壊させてきたのではないだろうか。
アメリカは清教徒が「新世界」をめざし創った国だが、それは原住民であるインディアンを虐殺し土地を奪い、黒人を奴隷として成り立った国だ。たえず移民を受け入れて人口を増やし国をなしていくとともに、メキシコをはじめとし他国を侵略し、領土と植民地を拡大させていった侵略国だといえる。
 戦後、世界で軍事経済的に突出したアメリカ合衆国は世界の盟主として、軍隊を欧州、アジア、中東などに方面軍に配置し、国務省を内政ではなく「各国を指導する」ための部署として機能させた。内政は州に委ね、軍事と外交、警察を連邦政府が担うという覇権と支配のための国家だ。こうした覇権のための国家は、国民のための国家機能を放棄しているので、教育、社会保障、医療などが荒廃していくのを避けることができなかった。
 他国を支配しようとする覇権国家であればあるほど、国民の基本的共同体としての国家を内部から崩壊させる。とりわけ、アメリカはもっとも徹底したグローバリズム、新自由主義の覇権国家になったがゆえに、内部を空洞化させ、経済的にも軍事的にも、感染症対策でも、国家として体をなさなくなったと言えるのではないだろうか。
 国を否定する覇権ゆえに自らの国を崩壊させていくアメリカの矛盾が、コロナウイルスで一挙に爆発し、世界最多の感染者、死者を出したのだといえる。それは今やアメリカが国家の解体に向かっていることの警鐘だと思う。
 それはアメリカと一体に進む日本への警鐘でもある。


 
時評

委員長・・・

平 和平


■大騒動
 金正恩・朝鮮民主主義人民共和国国務委員会国務委員長(以下、委員長)が4月上旬以降「姿を消した」と言って日米韓が大騒ぎになった。と言ってもトランプ・文在寅両大統領は「異常な兆候は見られない」「そのうちわかる」と冷静だった。ところがアメリカの反共放送局VOA、日韓の極右たちが何の根拠もない与太話を流し、「心臓手術」「コロナ感染」「糖尿病」「足を切断する手術」「妹・予正によく仕えよ、と言い残した」「明日をも知れぬ命」「重篤」「もう死んだ」などという「情報」を創作し、キャッチボールを続けることで大騒動を繰り広げた。韓国総選挙で比例区当選した反共極右・親朴槿恵党の脱北議員二人も加わって予言者となった。過去に何度も同じ勢力に「殺されてしまいながら」「何度も生き返った」金日成主席や金正日総書記の例を見るまでもなく、こんな怪しいデマ騒動に明け暮れる姿は、あさましいとしか言いようがない。しまいには東部海岸地帯の元山駅に委員長の専用列車が停車したままだとアメリカの衛星が「暴露」した。

■大山鳴動 何もなし!
 結局、委員長は西部・順川肥料工場の竣工式に出席している姿が世界中に鮮明な動画で配信された。専用列車衛星画像を得意げに流した機関はその後どんな言い訳をしたのだろう。
 脱北議員(不自由韓国党)は「お詫び」「情報が間違っていた」と言うがそれで済むはずがない。いや、脱北者の言う事がいかに当てにならないかを自ら証明してしまったという点で、貢献度大と言うべきか。そういえば「拉致被害者をピョンヤンの招待所で見た」と「証言」した安明進なる自称元工作員は、結局その具体的証拠を示さず、韓日の極右からのお金をもらって過ごしたあげく、麻薬取引で韓国警察に逮捕され、いつの間にか完全に姿を消し、スポンサーと思われる極右から「死んだと思われる」と言われている。
 アメリカCIAの面子丸つぶれ、世界最大の情報大国、しかも朝鮮を24時間365日監視・偵察・迫害に努めるアメリカはまんまと韓米の「情報詐欺師」に騙された、と言うより共犯になってしまい、「仲良くしたい」と親書を送った大統領も嘘つきの世界一の座を得てしまった、と言える。トランプさん、情報部門の幹部を全員首切りせなあきませんよ。少なくとも元山に停車していた委員長専用列車の件は結局どういう事だ!ぐらい言わないと。デマ情報に加担したポンペオ国務長官もね。この人は昨年まで委員長と握手し、何度も訪朝して最優遇されていたのに、評価地に落ちた。大統領も国務長官も委員長と朝鮮への謝罪・心入れ替え表明なしではもう二度と会ってもらえないこと確実だ。

■日本の相変わらず阿呆な面々は?
 辛坊治郎!「出てきて落着だけど、指導者の動静が長期間わからないような国が近隣にあるという事です」だって? 日本の近隣国数々あれど、例えばベトナムやモンゴルの首脳がこの1か月何をしていたか、辛坊さん、具体に教えていただきたい。
 ニュースをチェックしていると、コロナ自粛強要キャンペーンで忙しいはずの日本のマスコミは毎日、朝から晩まで委員長への悪意ある憶測報道を流し続けたが、委員長が出てきて以降はピタっと報道がなくなった。一部の偏執狂が「髪型が違うような?」「腕に手術痕のような傷が」「影武者では」などと弱々しくつぶやくだけで、もちろん訂正や謝罪などは皆無だ。総じて言えるのが、朝鮮という国と委員長をゆえなくトコトン憎んでいるのか、実は、内心では好きなのではないか?(もちろん皮肉だが)。

 


投稿

運命共同体としての国のあり方を考える

模役 蔵


 コロナウイルス禍が世界に拡散して大きな問題となっています。経済的(株価)にはわずかな期間に時価総額1000兆円程度の目減りがあるなど乱高下し大混乱をしました。
 11月に武漢から発生した新型コロナウイルスは、わずか数カ月で世界を一周したことになります。かつて大航海時代コロンブスによってもたらされた新大陸との物と人の移動。それは感染症の交換をももたらし、100年を経ずして地球を一周したことを思い起こしました。それから人類は1地域にあった病気が世界化することを幾度となく経験したにもかかわらず、人と物の移動が病気をも伴ってくるこの事実を忘れてきたかのようでした。今回、人と物の移動の極致であるグローバリゼーションの負の側面を見るにつけ、ただ経済効率のみを優先する今の時代の問題があらためて浮き彫りになったようです。
 世界的にマスクの不足が言われ、国内的にも中国に大半のマスクの生産を依存してきたためにマスク不足が生じました。各国で都市封鎖が拡大し、まるで世界封鎖の感すらあります。これに伴い保護主義の高まりが喧伝されています。そして生産活動におけるサプライチェーン(供給連鎖)の問題も大きな課題として浮上しています。以前から指摘されてきたことではありましたが今後より顕在化することでしょう。
 ここで小生が心配するのは食料など国民の生存に不可欠な物資における自給の問題です。日本の食料自給率はカロリーベースなら約37%、重量ベースで約60%と農水省は公表しています。万が一今回のような予期せぬ事態が発生し食料など生活必需品の輸入ができなかった場合大変な事態が予想されます。
 今回の出来事を機に、農業や国内産業の生産活動基盤など、運命共同体としての国の在り方が再認識され、あらためて議論・深化され、当たり前の国の姿を取り戻すことを切に願いたいものです。



アピール

森友署名運動・裁判の進捗状況

金子恵美子


 先月号でお知らせした「森友・第三者委員会による再調査」署名が30万名に達したことを、自死に追い込まれた近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻が報告しています。
 5月10日現在は34万名に届こうとしている勢いである。私の知人の方も、先月号の文章を読んですぐにお手紙を下さり、運動をしている仲間の皆にも署名をしてもらうので署名用紙を送って欲しいと。署名は用紙ではなくキャンペーンサイトを使ったネット署名であることをお伝えしたが、「週刊文春」を読むと、高齢でインターネットを利用していない方々から同じような問い合わせが多数きていると書いてありました。残念ながら用紙による署名までは手が回らないとのこと、自発的にして下さることは歓迎するとの妻や弁護士からのコメントが寄せられていました。
 今後の署名運動、裁判の進捗状況について赤木さんの妻より次のような報告がサイトに掲載されていたので紹介します。

赤木俊夫の妻です
 5月27日に裁判が始まることになりました。裁判が始まるおよそ1週間前に、皆様から頂いた署名を安倍首相らに渡す予定ですが、現時点で30万を超える署名を頂きました。
 皆さま一人ひとりのお気持ちにお礼申し上げます。本当にありがとうございました。・・・
 安倍首相 麻生大臣
 30万人の気持ちと夫の命を軽く扱わず重く受け取ってください。
 安倍首相の発言が原因で改ざんが始まったことは財務省の伊藤さんも認めています。
 逃げないで第三者による再調査をしてください。 宜しくお願い致します。

 なお最新の「週刊文春」の記事によれば、これまで仮名を使ってきた妻が本名を明かされ、安倍昭恵夫人に「・・・夫が亡くなり2年。苦しんでいる私を助けて下さる方に巡り合い、やっと裁判をする決意ができました。いざ決意したものの安倍首相は再調査することから逃げておられます。どうかご主人さまに再調査するようお願いしていただけませんか? 昭恵さんも本当の事をお話していただけませんか?夫や本当の事が言えず苦しんでいる財務局の方々を助けることができるのは昭恵さんしかいません。どうか、よろしくお願い致します」という手紙を送った事が記されていました。
 妻が本名を明かし、行動を前に進められているのも、34万名という国民の後押しがあるからだと思います。今後もしっかり見守っていきましょう!



 

読者より

Y・S


 4月号議論「脱<失われた30年>を考える」読ませて頂きました。
 今問われているのは各々の国の力、指導者の人格、力量です。日本においては、単に現時点での安倍政権の力量ということではなく、論文に書かれている30年の総決算が問われていると言っても過言ではないでしょう。具体的に言えば、失われた30年の総決算が安倍政権の存在であり、無能、無力政権の存在を許容してきた国民全体がそのつけを払わされているということです。そのような意味ではまさに時宜を得た論文であると思います。平気で嘘をつき、やっている振りをするだけで延々と続いてきた安倍政権も、今回のコロナ騒ぎでは誤摩化しきれず、その実態を露呈しています。
 しかし、論点から少し外れるかもしれませんが、今ニューヨークの惨状、東京の現状を見ると、東京一極の危険性を認識し、地方の重要性、価値、力を見直す良い機会ではないでしょうか。また、地方自治体の知事、市長、東京都の区長などが政府の言いなりになるのではなく、自らの考えで方針を提示し実行している事実もあります。もちろんそれができるかどうかは首長の力量にもよるのですが、政府の権力は決して絶対のものではない、主体性を持って行動することによって地方もまだまだ力を発揮できることが明らかになっています。敷衍するならば、地方、中央を問わず、誰もが「国民の一員として国の経済を創る主体になってこそ、自らの運命を切り開いていくこともできる」可能性があるということだと思います。(略)
 今まで嘘を突き通してきた安倍政権ですが、それでも「他にいないから」という理由だけで政権が支持されてきました。この国難に際して、感染症の専門家を含めた政府の指揮系統は司令塔不在、バラバラであり、誰が責任を持って対処しているのかまったくわかりません。これでは国民一体で立ち向かうという意識が生まれるはずがない。野党に受け皿があればこれ以上の政権交代の好機はありません。
 コロナウイルス感染症への対応を見ても、明らかに米国の力は落ちています。世界に冠たるCDCがこれほど無力であるとは想像だにしませんでした。米国はいまだ世界の金融等の中心ではあるが、産業競争力を含めた真の国力は明らかに衰退しています。
 そして「議論」の通り、トランプの「米国ファースト」は「米国さえ良ければ他の国はどうなっても構わない」、さらに極論するならば「米国民が少々亡くなっても、自分が再選されれば良い」ということです。いざとなれば、なりふり構わず付き従ってきた安倍首相との関係など簡単に振り捨ててしまうでしょう。トランプの米国について行っても何の意味もないことが明らかになっています。
 産業競争力を失ってしまった状況下で、安倍政権が画策してきた経済振興のためのプランは大ピンチに陥っています。来年のオリンピックは当然中止になります。インバウンド頼みの観光客の大幅減少は長期間続き、IRカジノの計画は一時頓挫し、万博開催も不透明となるでしょう。感染が終息した後、日本の経済、産業の再興に向けた大きな発想の転換が否応無しに求められると思います。


ホーム      ▲ページトップ


「アジア新時代と日本」編集委員会 〒536-8799 大阪市城東郵便局私書箱43号