研究誌 「アジア新時代と日本」

第191号 2019/5/10



■ ■ 目 次 ■ ■

編集部より

主張 東北アジアの新時代・新局面と日本

議論 進む「地制調」路線、反抗の手立ては?

コラム 池袋奇譚

投稿 私は騙されている

資料1 受け入れ先のないままオスプレイを大量に買わされた日本

資料2 山本太郎 「消費税に反対する勢力を増やすしかない」




 

編集部より

小川淳


 生涯未婚
 50歳の時点で一度も結婚したことのない人の割合を指す「生涯未婚率」が、過去最高を更新している。2015年で、男性で4人に1人、女性で7人に1人という。このままいけば、10年後には日本人男性の3人に1人が独身のまま一生を終えると予想されている。
 結婚できない最大の理由は貧困だ。稼ぎが悪く貯蓄も少ないので仕方なく独身でいるか、望むような相手を探しても見つからない。30代後半で年収200万円以下なら民間サービスで登録して結婚相手を見つけられる確率はほぼゼロで、登録することさえ難しい。
 自由な暮らしをしたいから独身を貫くというイメージとは程遠く、生涯未婚率の高さは、昨今の日本社会の「歪み」を示す数値の一つと言えそうだ。
 以上のように、生涯未婚のような問題はこれまで格差や二極化という言葉で語られてきた。結婚できない背景に貧困があるのは事実だ。しかし小熊英二氏(慶大教授)は、貧困や経済だけではない、もう一つの日本社会の分断に注目している。「所属」という言葉をキーワードに、日本社会は二つの国民に分断されているという。第一の国民は、企業、官庁、労組、町内会、業界団体などの「正社員」「正会員」とその家族。第二の国民は、それらの組織に所属していない人々だ。彼らは単純に所得が低いというだけでなく、そもそも会社、地域、家族などの「所属する組織」を持っていない。あらゆる組織から排除され、人間的なつながりから孤立した存在だ。昔なら低所得でも、企業や親族、地域のつながりで「縁」を結ぶことができたが、そのようなつながりのない彼らには結婚ですら容易でない。
 私たちには「組織のない人々」の声や姿は見えにくい。メディアはそういう人たちを取り上げることはない。彼らは政治や選挙にも無関心だ。支持政党もなく、新聞も読まない。選挙のたびに棄権率が話題になるが、およそ50%の棄権した層と「組織のない人々」の層は重なっている。彼らの声を代弁する組織もメディアも存在しない。
 ある意味、これまでの日本社会は「組織の時代」が長く続いてきたと言える。社会運動も政党や労組、政治団体が動かしてきた。この形がここ10年、変わってきたように思う。福島原発事故後、官邸の前を埋めた数万の人々は労組や政党とは関係のない人々だ。誰から命じられたのでなく、自分の意志で、やむに已まれず数万の人が官邸の前に集結した。そのような運動の形は初めてではなかろうか。あらゆる組織から排除され孤立した彼らの「声なき声」を誰が聞き、その要求に誰が答えるのか。この日本の政治の不毛さを打ち破る突破口の一つは、そこにあるのかもしれない。



主張

東北アジアの新時代・新局面と日本

編集部


 東北アジアの時代的転換をめぐって朝米の攻防が続いている。  2月末、ハノイでの第二回朝米首脳会談の物別れは、時代転換の終結ではなく、その新たな展開、新局面を意味するものだった。これにどう対するか。それはすぐれて、日本の進路に関わる問題として提起されていると思う。

■朝鮮の新戦略をどう見るか
 「会談」の破綻は、明らかに米国によるものだった。朝鮮主導の非核化と制裁解除の同時的で段階的な進行を嫌った米国が、「全面非核化か制裁解除なしか」の無理難題を突如突きつけ、朝米交渉の破綻と逆転を図ったのだ。米国の背信行為に朝鮮がどう応じるか、世界はそれを注視した。
 先の朝鮮・最高人民会議と金正恩委員長の施政演説、そしてウラジオストックでの朝露首脳会談は、それへの答えだったのではないだろうか。
 そこで示された朝鮮の新戦略については、いろいろと解釈があるようだ。
 「自力更生」を掲げ、国民に耐乏を強いながら、制裁解除を追求する対米長期戦。中ロを後ろ盾に米国に圧力をかけ、制裁解除を勝ち取る作戦。等々。どちらにしても、「制裁解除」を目指す路線、戦略戦術だということだ。
 だが、施政演説は、制裁などとは関係なく、国の展望は自力で切り開くと結束されている。これを単なる強がりと見るのか?
 忘れてならないのは、朝鮮が数十年にわたる制裁の中で生きてきた国だということだ。
 その大前提の上に、今回の演説にはこれまでになかった特徴がある。それは、制裁との抗争が「慢性化」されてはならず、長期にわたる核の脅威を核で終息させたように、制裁の突風は自力の熱風で一掃すると強調していることにある。すなわち、制裁を積極的に無力化するということだ。
 事実今回の「自力更生」は、単なるスローガンではない。5カ年計画を一層力強く貫徹して社会主義強国建設を促進するための経済路線として提起されている。
 動力と燃料、原料の自給自足化、人民生活向上のための食料、人民消費品の大量生産と完全な国産化、人民経済の均衡的発展と知識経済化、自立経済の潜在力総動員とその基本である人材・科学技術の育成と発揚、等々、そのための方策は具体的、現実的であり、何より、その遂行の鍵が国民主体の役割を高めることに求められている。
 施政演説は、一方、韓国に対して、「速度調節」を強要する米国に従うことなく、歴史的な2018年「板門店宣言」と「9月ピョンヤン共同宣言」を民族自主の原則で履行することを求めており、世界に対しては、米国が自分の要求だけを押し付ける対話法を改めるなら、門戸を閉じないとしながら、自主と平和を求めるすべての国々、勢力に対し連帯を呼びかけている。

■進展する東北アジア新時代
 東北アジアの情勢発展は誰によって決定されるのか。以前ならそれは、圧倒的に覇権国家、米国によっていた。69年前、朝鮮戦争を引き起こしたのは、朝鮮でも中国でもない。米国だった。
 しかし、今は違う。米国は、朝鮮を核戦争でも、経済制裁でも動かせなくなっている。米本土を攻撃できる核ミサイル戦力を持ち、制裁に耐えうる経済力、そして人民力を持った朝鮮を米国は、思い通りに動かすことはできない。
 では今、東北アジアを動かしているのは一体誰なのか。そこで考慮すべきは、朝鮮が自らを「戦略国家」だと言っている意味だ。それは、この間、実際に現れた東北アジアの現実を見た時、見えてくるように思う。
 昨年、2月の平昌オリンピック以来、南北朝鮮、朝米、朝中の首脳外交をはじめとした動きは、明らかに朝鮮主導で展開された。なぜそんなことができたのか。その秘密は、戦争と敵対から平和と繁栄へ、東北アジアの時代的転換が、中ロなど当事国だけでなく全世界の要求と合致したからであり、何より、米本土を攻撃できる朝鮮の核武力完成により、米国もそれに従いながら自らの覇権を追求せざるを得なくなったところにある。
 この東北アジア新時代にあって、朝米が「同床異夢」であるのは、これまで本誌で幾度も指摘してきた通りだ。覇権と脱覇権自主、この完全に相反する目的と要求が表面化したのが先の「会談」物別れだったのではないだろうか。
 だが、米国が核戦争と敵対の古い覇権に戻ることは、もはやあり得ない。平和と繁栄の東北アジア新時代の下、社会主義強国建設と統一か、それとも朝鮮を「改革開放」(資本主義化、アメリカ化)するファースト覇権かの攻防がよりあからさま、かつ激烈に展開される新局面が開けていくのではないだろうか。

■問われているのは日本の進路だ
 東北アジア新時代・新局面にあって、日本が占める位置と役割は、前局面と比べ比較的大きなものとなるのではないだろうか。
 前局面にあって、日本は完全に「蚊帳の外」に置かれた。南北朝鮮は、日本を相手にしなかったし、米国も、特別日本を必要としなかった。
 しかし、新局面は違う。この間の「前提条件なしの日朝首脳会談」の提起など、安倍政権のこれまでになかった異例の対朝鮮接近策はそれを示していると思う。これが米トランプ政権の要求に基づいているのは言うまでもない。
 新局面にあって、米国は日本の経済、軍事力を切実に必要としている。日本を通して朝鮮を引き付けるため、また、日米韓の力で東北アジア覇権戦略を進めるためだ。この覇権の要求に対して、朝鮮がどう出てくるかはかなり目に見えているのではないか。よく言われるように、経済的要求からそれを第一に朝鮮が動くとは考えられない。
 今、問題になっているのは、一言で言って、覇権をめぐる問題だ。日韓間では、植民地時代の徴用工、慰安婦問題で賠償問題が深刻になっている。一方、日朝間でも、植民地支配への歴史認識と賠償問題が第一の問題になるのではないか。
 この問題は、朝鮮の新戦略をどう見るのかと一体だ。それが「制裁解除」のための戦略だと捉え、経済的要求第一に日朝交渉を進めるのか、それとも「制裁無力化」のための戦略だとの見地から、覇権問題第一に交渉するのかだ。その成否は火を見るより明らかだ。
 こうして見ていくと、東北アジア新時代・新局面において問われている問題が何か見えてくる。すなわち、キーワードは「覇権」。米覇権の下、日本も覇権する従来の道を進むのか、それとも脱覇権の道への転換を図るのか、すぐれて日本の進路をめぐる問題が問われているのではないだろうか。

■東北アジア新時代と日本の「新しい政治」
 今日、朝米交渉や東北アジア問題を日本の進路問題として捉える見方はほとんどない。
 しかし、東北アジア新時代の問題を米ファースト覇権と南北朝鮮の脱覇権自主の闘いという見地から見る時、それは、日本の進路に関わる極めて切実で重大な問題となる。
 米ファースト覇権の下、今進行する日米の軍事・経済の一体化は、覇権と脱覇権、その攻防の場となる東北アジア新時代を睨んだものであり、今後、朝鮮半島から東北アジア全域に押し広げることが目論まれたものである。
 この現実を前にして、われわれが想起すべきは、150年前だ。あの時代、日本は、押し寄せる欧米覇権の黒船を前に、脱亜入欧、アジアに敵対する帝国主義・覇権の道を選択した。
 それがいかなる道だったか、その総決算が、今、東北アジア新時代の到来に直面する日本の現実として突きつけられているのではないだろうか。
 日本という国が国としての体を、政治、経済、軍事、あらゆる面でなさなくなり、完全に米国の一部として、東北アジア新時代に敵対する米覇権の先兵にされていっている。
 今こそ、日本に問われているのは、自国第一、国民第一、国民主体の新しい政治なのではないだろうか。それはすでに、沖縄をはじめ、地域第一、住民第一、住民主体の地方政治として生まれてきている。それが、韓国の「ろうそく革命」など、東北アジア新時代や全世界に広がる「新しい政治」と結びつき、自国・自国民第一、脱覇権自主の国民大衆が主体となって、野党共闘などを積極的に支え動かし、米国の意思と力の下でしか動けない対米追随の安倍覇権政権を退陣させる時、日本は、脱覇権の新しい時代、東北アジア新時代の当事国としての役割を立派に果たし、日朝、日韓関係の改善などにおいても、積極的に主動していくことができるようになるのではないだろうか。



議論

進む「地制調」路線、反抗の手立ては?

永沼博


 私は、昨年7月、地方制度調査会(地制調)が発足したことをもって、本紙182号に「地方を見捨て売却する国家戦略との戦いが問われている」という文章を書いた。
 地制調が「地方制度を見直す」として打ち出したのは「連携中核都市圏構想」。中核都市(政令指定都市や人口20万以上の市で全国80ほどを想定)の下に周辺の市町村を網羅して中核都市圏を形成し、そこに外資を呼び込む、その方式として彼らに自治体が管理している水道など公共事業の運営権を売却する「コンセッション方式」の導入促進をはかるというもの。
 私は、これを「地方から国を変える」国家戦略であると見た。すなわち、地制調路線とでも呼ぶべきそれは地方を外資の管理下に置き、こうして国家そのものを外資に委ねようとするものだと。
 この外資とは米国金融(今や金融は国際的に融合している)。そうであれば、日本は国の体をなさないほどに米国に融合一体化され、米国に利用され食い潰されるのではないか。
 地制調路線は、米国の意図をも反映した確固たる国家戦略。それがどのように進み、それに対する民意がどうなっているのか。そうした観点から、今回の統一地方選を見たが結論的には、「地制調路線は着々と地歩を固めている」ということ。それを「大阪都構想支持」と「低調な選挙」の二つに見ながら、それに対する反攻軸をどう作っていくのかについて、私なりの考えを述べてみたいと思う。

■進む大阪都構想
 今回の統一地方選で最も注目されたのは、大阪維新の会が大阪都構想実現のために仕掛けた市長と知事と府議会の同時選挙。結果は、維新が知事と市長を制し、府議会でも過半数を占めた。4年前、大阪市民を対象にした住民投票で僅差で破れた維新は市民・府民対象の今回の選挙で都構想実現の大きな支持を得たことになる。
 その内わけを見ると、新知事になった吉村洋文氏に投票したのは、全投票者の中で、10代は8割以上、3?40代は7割以上。前回7割が反対した70代以上も56・4%が支持に回っており、全投票者を対象にした出口調査でも60・5%が賛成(反対34・8%)となっている。
 今後、都構想は実現に向けて走り出す。都構想に頑強に反対し「最後の砦」と目されていた竹山堺市長も政治資金収支報告書の問題で辞職した。
 大阪都では、外資導入の「コンセッション方式」の本格化が予想される。すでに関西空港の業務が民営化されており(昨年の台風20号による被害復旧で責任の所在を巡って揉めた)、この4月には公設民営校が全国に先駆けて開校。カジノ召致(その運営には「ラスベガス・サンズ」などの米国企業が入る)。ゴールドマン・サックスと組みホテルの運営権だけを握って全国展開する星野リゾートの釜ケ碕などへの進出。
 そして注目すべきは、新知事の吉村氏は、この「コンセッション方式」による水道民営化の熱心な論者なのだ。ここで付言しておくと、東京都では小池知事が特別顧問だった野田数氏を東京都水道局の外郭団体「東京水道サービス」の社長に天下りさせた。東京と大阪の2大都市で「水道民営化」が進められる体制が敷かれたということだ。
 残念ながら今回の選挙では、「水道民営化」、カジノなど外資導入の問題は争点にされなかった。しかし都構想の狙いはそこにあり、外資への運営権売却の地盤作りが着々と進められているということを見ておかねばならない。
 そのように見れば、大阪都構想は、地制調が唱える「連携中核都市圏構想」の典型例を先行的に示すものだと見ることもできる。

■ことさら強調された「低調」さ
 今回の統一地方選では、「なり手がない」「無投票当選」が増えたとして「低調」がことさら強調された。長野県辰野町議選では欠員が出ると聞いて立候補して当選した人が家族の反対で辞表を提出するという「前代未聞」の出来事も起きている。
 「低調」さは以前からの問題であるが、今回はそれが一層酷くなったということから、何か対策を考えなければならないとなっているのが特徴である。戦後に始まった自治制度自体が古くなったとして自治制度そのものの見しや選挙制度の見直しを説く人など。そうした中で、待鳥聡史(京大教授・政治学)氏などが「議員のあり方」を見直すべきだとして、二つの考え方を示している。一つは「プロとして責任を重くして報酬も上げる」、もう一つは「首長を監視するアマチュアだと割り切って兼業を大いに認めて報酬も日当程度にする」というもの。
 実は、この二つの考え方は、すでに地制調で討議されているものだ。この中で私が問題だと思うのは、議員を「プロ」とする考え方である。何故ならば、それは米国で既に行われている都市経営をプロ(企業)に任せる方式に似たものになるのではないかと危惧するからである。
 すなわち、地制調は「連携中核都市圏」に入れず見捨てた基礎自治体の今後のあり方としてプロ(企業)に任せるような形を考えているのではないか。そして、そのプロ(企業)も外資なのではないか、という疑念がわくからだ。
 こうした憂慮すべき動きとは別に、肯定的な動きも見られる。女性進出(5人の女性市長誕生など)、「誰も見捨てない」を合い言葉に立った身障者候補の増大、そして党派に縛られず地域のための仕事をしたいという「一人会派」の増大。議員のなり手がなく議会の代わりに「村民総会」を提唱した高知県大川村村長も再選された。
 これらの動きは、党派とか左右のイデオロギーに縛られず、地域のためになることを第一に考える志向の反映であり、これが末端自治体、弱小自治体で顕著であることは注目に値する。

■どのように反攻するか
 以上、地制調路線が着々と地歩を固めている状況の中で、これへの反攻をどう構築していくかが重要であろう。
 大阪都構想が支持されたのは、都構想には、大阪ファースト、そのための「改革」という斬新なイメージがあり、これが府民、特に10代からの若者に強く支持されているということだ。
 私は、連携そのものは否定しない。過疎化し衰退する弱小自治体こそ連携し互いに力を合わせて共に振興することが必要だからだ。問題なのは、「連携中核都市圏構想」は地方の「勝ち組」に一層、人口や財源を集中し、これを外資に委ねようというところにある。
 そうではなく、下から各自治体が主体的、自主的に自身の特徴を生かしながら、例えば明石市(泉房穂市長)が「子どもにやさしいまち」を突破口にして「みんなで支え合う」社会の実現を目指し支持されているように、地域で切実に要求されるものや、地域の産業、作物、文化歴史遺産などを生かす振興策などを掲げ、上下の関係ではなく互いの自治を尊重しあう平等の関係で協力し合う、そうした連携構想を「大阪連合構想」などとして打ち出せば、みなに若者にも支持されると思う。
 市町村段階での「一人会派の増大」なども、党派に縛られず、地域のためになることを第一にやって行きたいという地域ファースト志向の強まりを反映している。
 今、フランスの黄色いベスト運動が注目されているが、それは指摘されているように地方・地域の反乱であり、マクロン政権の下で切り捨てられ見捨てられた地域の反乱である。その要求には「フランスが保有する財産(ダムや空港など)の売却禁止」「民営化後に値上がりしたガスと電気の再公営化」など「民営化」反対があることも注目される。そして、この運動は末端地域の一女性のネット発信を契機に始まりネットで連携拡大し、マクロンの国家政策の中止を求めるものになっている。
 日本でも、弱小自治体で強まった地域第一の声、すでに行われている地域第一の動きなどがネットで連携しあうなどすれば、急速に大きな動きになる可能性を秘めている。地制調路線に反攻する素地は十分にある。
 最近、竹中平蔵氏が「スーパーシティ構想」なるものを唱えている。それによるとトロント(カナダ)の都市運営にグーグルが参入し、それによって救急車の到着時間が大幅に縮小されたという。AIや次世代通信G5を駆使した新しい都市像。だが、それは、まさにGAFAが支配する都市ではないだろうか。彼らを育成し支えているのはゴールドマンサックス、JPモルガン、シティコープなどの投資金融であり米国金融である。
 まさに米国金融独占による支配。それはプロ(企業)による運営、民間への運営権売却などの究極の姿。そんな地域・地方でいいのか、そんな日本でいいのか。まさに住民主権が問われているのだ。地域住民が主権者として地域・地方のために、最新技術も取り入れた自らの地域・地方像を打ち出していくこと。それが問われていると思う。


 
コラム

池袋奇譚

平 和好


■二人をハネ殺し、重軽傷多数でも、元高級公務員は帰宅
 時速120キロで車を暴走させ、多数の死傷者を出してしまった87歳の元工業技術院院長。通常なら、まず逮捕、のち警察での捜査が行われ、取り調べの上、事情により色々な刑事処分があり得るものだろう。本人も負傷しているから病院入院もあり得るが。言うまでもなく池袋繁華街の暴走事故の事だ。何と、元高級公務員はすでに帰宅しているらしい。

■バラエティ番組によるスリカエ
 事故車の検証結果では、アクセルやブレーキなどに不具合は発見されていない。時速120キロは相当の時間、アクセルをフルに踏み続けないと出せない。少々の誤操作では無理なのだ。芸能人の私生活を事細かにほじくるテレビ番組だが「なぜ暴走が起き」「どのように捜査が行われているか」「元高級公務員はどう言ってて、今自宅でどんな生活を送っているか」はほとんど報道されない。一部には安倍友達ジャーナリストの準強姦事件をもみ消した警察高級公務員が捜査に出てきているとのネット報道もある。それらは全然報道されないが、「高齢者の免許返納」キャンペーンだけが熱心。どう見てもおかしなスリカエやろ!

■倫理などない元高級公務員運転者
 多数の死傷者を出す直前、ガードレールに車で接触して、妻から「危ないよ、どうしたの?」と聞かれ、「ああどうしたんだろう」と答えた後、さらに暴走を加速させ、「いっぱい人をひいちゃった」と息子に冷静に電話報告する姿に、一般庶民の尊い命と身体の健康を奪った反省を見ることはできない。

■「ゴメンですんだら警察イラン」以前の話
 これだけの重大事故を「しかたないな」で済ませる警察は無い(はずだ)。ところが実際にはそれでまかり通らせているのが実態だ。普通は足が痛くなったら、歩けなくなりそうなもので、ところが元高級公務員は足が痛くなったら陸上選手をはるかに超える速度で走って何の罪もない母子を殺した、それを交通警察のベテランが「ああそうですか。気を付けてご帰宅くださいね〜」などと超優しいのだ。

■暴走する日本の司法こそ過激派
 運転操作を誤って、あるいは何らかの事情で交通事故を起こした時に、警官から聞かれたら「ああどうしちゃったのかわかりません」「足が痛くてペダルが戻らなくなりまして(私が悪いんじゃない)」と人ごとのように皆で言おうではないか? もちろん一般庶民がそれをすると準強姦事件と同じく、厳罰間違いなしだ。  いやいや、誰に具体的被害を与えたわけでもない個人・組織が不当逮捕され、長期拘留され、無茶苦茶な裁判で有罪にされる事がこの国では日常茶飯事になりつつある。その一方の「大甘」が元高級公務員と安倍友達ジャーナリストだ。これは嘆かわしいと感じ、適正な法執行に努めようとする警官・検察官・裁判官も少しはいると信じたいものだ(いや、やっぱりいないか・・・)。



投稿

私は騙されている

模役 蔵


 消費税10%が実施されるのか否か微妙な状況になっている。
 デフレ脱却を謳いながら増税をこの時期に実施しょうとする政策には理解に苦しむ。過去の失敗を何度繰り返せば目が覚めるのだろうか?増税はインフレ対策には有効でもデフレ期には真逆の反応を起こすのは過去の経験からもはっきりしている。
 国は大きな借金をしているのだから国民は応分の負担をするのは当たり前ではないかと言うのだが、これは嘘だというのが明らかになってきている。先日の報道によると国の借金は約1103兆円、国民一人当たり874万円余り。これは消費増税のための煙幕だ。これが国の借金ではなく政府の借金であるのはさておき、借金も有るが資産(対外債権約948兆円、対外債務約609兆円、差し引き約340兆円の黒字)もあることを言うべきだろう。その他諸々売却可能な政府所有の株式などの資産を入れればバランスシートはそんなに悪くはない。国債もほとんど円建てだ。よって「財政健全化のため」という言い訳も嘘なのだ。
 グローバリズムの弊害からくる財政緊縮の欺瞞と云い一部の受益者の為の政策はもう御免被りたい。
 ヨーロッパに起こった反緊縮のうねり、アメリカのグリーン・ニューディール、日本の薔薇キャンペーン、松尾教授の推進するレフト3・0など、今必要な保育、医療・介護、教育、防災、科学技術への積極財政の声は大きくなっている。保守の方からも同様な声は多い。財源はどうするのか?
 これの基礎になるのが「現代貨幣理論」(MMT)。アメリカの史上最年少女性下院議員オカシオコルテスの支持表明で話題になった経済理論だ。
 ザックリ言えば「財政は赤字が正常で黒字が異常、だからどんどん財政拡大すべき」という理論。
言い方を変えると「政府の黒字は民間の赤字、政府の赤字は民間の黒字」ということになる。そんな上手い話が有るかと疑念を持たれるのは当然。積極財政といっても野放図に拡大できるわけではない。幾つかの要件が必要であることは確か。
 少なくとも自国通貨の発行権を持つ日本国においては問題にならない。ましてやデフレ下だ。これなら黒田バズーカでは巷に回らない資金を積極財政で市中に回してインフレ目標2%を達成可能だ。財政にそれほど縛りがなくなれば、中長期の国家ビジョンが建てられる。そうすれば、企業に眠った資金を設備投資に循環できる。
 積極財政はリベラルから保守まで共通の政策目標になっている。何かと折り合いのつかない立場だが、共に国を思う心は同じ。この積極財政は共通課題として取り組むべきものではないかと思えてならない。


 
資料1

受け入れ先のないままオスプレイを大量に買わされた日本

「天木直人のブログ」より


 きょう5月12日の読売新聞が一面トップで大きく書いた。防衛省は、陸上自衛隊の輸送機オスプレイを、来年3月から陸自の千葉県木更津駐屯地に暫定的に配備する方針をついに固めたと。
 その要旨はこうだ。
 すなわち、佐賀県知事は昨年8月に受け入を表明したが、地元漁協が反対しており調整がつかないままだと。だから今年納入したオスプレイ5機は米国に留め置かれたられたままだと。しかも来年3月にはさらに4機が納入されることになっていると。
 しかし、防衛省としては「いつまでも米国に置き続けるわけにはいかない」(幹部)から、千葉県の木更津駐屯地に暫定配備するのだと。
 なぜ千葉か。それは森田健作市長が「国の安全保障政策には協力したい」と言ってくれたからだと。しかし、佐賀と同じで、知事が受け入れを表明しても千葉の住民が受け入れる保証はなく、これから木更津市住民への説明を始めると。
 そして、たとえ木更津駐屯地へ暫定配備されても、防衛省は今後も佐賀空港への配備計画を進める考えだと。
 なぜなら、オスプレイは、災害救援活動のほか、離島防衛用の「水陸機動団」の輸送にも使われ、その「水陸機動団」は、長崎市佐世保市にある陸自相浦駐屯地を拠点としているからだと。
 なんというふざけた読売新聞の記事だろう。
 この記事が言っていることは、要するに、緊急必要性がないままに大量のオスプレイを買わされ、その後で受け入れ先を探しているということだ。
 そしていくら知事が受け入れを表明しても、住民が同意しなければ配備できないということだ。
 千葉の住民が反対なら、ふたたび別の場所の陸自駐屯地を探さなくてはいけないのだ。
 配備できなければ米国に置いておくしかないが、それでは何のための導入かと言う事になる。
 二重も、三重も、税金の無駄遣いである。
 しかも政府の計画では、今年(5機)と来年(4機)の9機だけではなく、合計17機導入する計画だという。よくもここまで税金の無駄遣いが出来るものだ。防衛政策以前の問題である。



資料2

山本太郎 「消費税に反対する勢力を増やすしかない」

「田中龍作ジャーナル」より


 山本太郎が初当選した2013年夏の選挙と同じ雰囲気になってきた。
 どこかの大政党のように動員をかけているわけでもないのに、街頭演説会場には続々と聴衆が集まってくる。2時間以上に及ぶ演説を身じろぎひとつせず最後まで耳を傾けるのである。
 山本は演説のほとんどを経済政策に充てる。人々が生活苦から脱し、当たり前の暮らしができるようにするための経済政策だ。
「この中に生活が苦しくない人いますか?」
「最後のセーフティーネットは刑務所になる」
「消費税に反対する勢力を増やすしかない」
 残りは野党のウソを突く。
 「トンデモ法案は体を張って止めなきゃいけない。委員会を開かせないようにして…」
 「(れいわ新選組の議員を)10人に、20人に、50人にしてほしい。その時、政治が面白くなる。ガチンコ勝負ができるようになる・・・(政党の構成要件を満たせば)党首として幹事長として政調会長としてテレビに出て、野党の顔面めがけてデッドボールをぶつける」
 聴衆は的を射た山本の野党批判にひときわ大きな拍手を送った。
 街宣後、聴衆の反応を聴いた。
 「(山本は)弱い人、困った人、普通の人に理解がある。この距離感がいい」(40代・サラリーマン)
 「消費税反対と財政政策は正論。ハートがある」(70代女性・年金生活者)
 旧民主党は政権時に原発を再稼働させ、消費税増税の下地を作るなどした。マニフェスト破りで国民を裏切ったのである。ウソがばれ、参院東京選挙区で2人の現職候補が共に落選するほどだった。
 旧民主党の先生たちのほとんどは、なぜ政権を滑り落ちたのかの反省もなく、庶民の生活苦に理解がない。
 山本新党が不満の受け皿になれば、一気にブレークする可能性がある。夜明け前が一番暗い。今は革命前夜なのかもしれない。(敬称略)


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